耐震等級と直下率

2021/10/09

こんにちは、埼玉県久喜市の高気密・高断熱・高耐震の注文住宅会社、株式会社六花舎設計、広報部です。

先日7日の地震は大丈夫でしたか?

埼玉県や東京23区で震度5強以上の揺れを観測したのは東日本大震災以来だそうです。

過去の事例から、大地震発生から一週間以内に同程度の地震が発生した事例は、2割近くあるそうですので気をつけましょう。

建築基準法では、地震に強い家を示す耐震等級は、住宅の性能表示制度を定める「品確法」に沿って制定されています。

建物の耐震性能によってランクが3段階に分かれており、その数字が大きければ大きいほど、建物の耐震性能が高いため、建物を建てたり買ったりする際の目安になります。

耐震等級というのはそもそも、地震で建物が崩壊しないよう、地震に対する構造躯体の倒壊・崩壊等のしにくさを表示したものです。

しかし、熊本大地震では、建築基準法に規定されている耐震性能の1.25倍の強さがあるとされる「耐震等級2」の住宅も倒壊しています。

その理由の1つとして「直下率」の低さが挙げられています。、

2階の柱のうち、1階の同じ位置にも柱がある割合を「柱の直下率」、2階の耐力壁のうち、1階の同じ位置にも耐力壁がある割合を「耐力壁の直下率」と言います。上下階で部材が連続しているかどうかは、少なからず耐震性に影響を与えます。

建築基準法には「直下率」という言葉は出てきていません。「四隅の柱は通し柱にする」と書かれているだけです。

「通し柱」とは上下階で連続した一本の柱です。通常の柱は「管柱(くだばしら)」と呼ばれ、1階と2階で柱は切れており、金物を通して一体化されています。

建物の耐震性能を表す指標の1つである「耐震等級」の取得においても「直下率」に関する記述はありません。直下率がいくら低くても、耐震等級の取得は可能となります。

直下率という言葉が知られるようになったのは熊本地震以降の報道による部分が大きいと思います。

法律に記載がないので、知らない人が多くても不思議はありませんが、直下率を視野に入れた間取りを描いてあげることは、絶対不可欠だと思っています。