青森で「日本の木の窓」を見学してきました
こんにちは。久喜市の六花舎設計です。
先日、代表が青森県にある「日本の窓」を見学してきました。
今回訪れたのは、日本の木を使い、木でまっとうな窓をつくっている会社です。
実際に製造の現場を見学し、木製サッシについて詳しくお話を伺う中で、あらためて「窓」というものについて考える、とても良い機会になりました。
日本の木でつくる、こだわりの窓
この窓の大きな特徴は、窓枠に杉の無垢材を使用していること。
地元・青森県を中心とした地域材を加工し、日本の木を使って窓をつくっています。
しかも、既製品を並べて販売するのではなく、すべてオーダーメイド。
建物や設計に合わせて、一つひとつつくられています。
木そのものの質感や存在感は、アルミサッシとはまた違った魅力があります。
実物を見てみると、その重厚感にはかなり驚かされました。
木の窓をつくろうと思った理由
そもそも、なぜ「木の窓」をつくろうと考えたのでしょうか。
その理由として挙げられていたのが、
- 断熱性
- 住まいの寿命
- 火災時の延焼への配慮
- CO₂排出量の削減
- 木ならではの存在感
といったことでした。
窓は、単に「外の景色を見るためのもの」ではありません。
住宅の断熱性能を左右する重要な部分であり、室内の快適性にも大きく関わります。
また、木という素材を使うことで、住宅そのものに温かみや重厚感を与えてくれます。
実際に触れてみると、無垢の木ならではの質感があり、「窓も建築の一部なんだ」とあらためて感じさせられます。
アルミサッシとは違う、木製サッシの魅力
日本の住宅では、アルミサッシが一般的です。
もちろんアルミには、耐候性や扱いやすさなどのメリットがあります。
一方で、木製サッシには木製サッシならではの優れた点があります。
特に断熱性については、素材そのものの熱伝導率が低い木は大きなメリットがあります。
そして何より、見た目の存在感がまったく違います。
無垢材でつくられた窓枠は、家具のような美しさがあります。
窓を「設備」として見るのではなく、「建築を構成する素材」として考えると、その魅力がより分かりやすいかもしれません。
杉の無垢材だからこそ、メンテナンスも大切
もちろん、木製窓は良いことばかりではありません。
木は自然素材ですから、メンテナンスが欠かせません。
こちらでは、杉の無垢材を使用し、耐久性を高めるために水性塗料を工場で3層塗装するなど、長く使うための工夫がされています。
それでも、木である以上、定期的なメンテナンスは必要です。
これは一見すると「手間」に感じるかもしれません。
しかし、手をかけながら長く使う。
そして、経年変化も含めて素材を楽しむ。
そんな考え方ができるのも、木製窓の魅力ではないでしょうか。
日本の木を使うということ
今回、特に印象に残ったのが「日本の木を使う」ということです。
日本は森林資源が豊富な国ですが、木材の利用については、まだまだ考えていかなければならないことがあります。
日本の木材自給率は、約33%にとどまっています。
せっかく日本に豊かな森林があるのであれば、その木を住宅や建築に活かしていく。
地域で育った木を、地域の産業として加工し、暮らしの中で使っていく。
こうした取り組みは、CO₂排出削減や地域材の有効活用という意味でも、とても大切なことだと感じました。
まだ一般的ではないからこそ
木製サッシは、日本の一般的な住宅ではまだまだ採用例が多いとはいえません。
一方で、別荘建築や東京都内の高級住宅などでは採用されることがあり、こだわりを持った建築家が設計した住宅にも使われています。
やはり、性能だけではなく、建物全体の雰囲気を大切にする住宅との相性が良いのでしょう。
そして……価格を聞いて、正直なところ驚きました。
「やっぱり、木でここまでつくり込むと、このくらいになるのか」と思う一方で、実物を見ると、その価格にも納得できる部分があります。
すべてオーダーメイドで、日本の木を使い、職人の手でつくられる。
大量生産の工業製品とは、そもそも価値の尺度が違うのだと思います。
「第三の窓」という選択肢
住宅の窓には、さまざまな選択肢があります。
その中で、木製窓は「第三の窓」として、もっと知っていただいても良い存在なのではないかと思いました。
性能や機能性はもちろん、木製ならではの重厚感。
そして、時間が経つほど味わいが増していく素材感。
すべての住宅に木製窓が必要というわけではありません。
しかし、もし「この家には、この窓が似合う」という建物に出会ったなら、ぜひ選択肢のひとつとして考えてみたい。
今回の見学を通して、そんなことを感じました。
六花舎設計でも、これからの住まいづくりの中で、素材の持つ力や、日本の木を活かすことについて、さらに考えていきたいと思います。
青森まで足を運んで、実際につくられている現場を見ることができたのは、とても貴重な経験でした。
「窓ひとつ」と言ってしまえば小さな部材ですが、そこには断熱、耐久性、環境、地域材、デザイン、そして職人の技術まで、さまざまなものが詰まっています。
改めて、家づくりは奥が深い。
そんなことを感じた青森訪問でした。



